レトルトカレー博物館


 日本有数の蕎麦どころである長野は、実は、日本有数のレトルトカレーどころでもある。筆頭に挙げられるのはなんといっても信州自然村。上伊那郡南箕輪村にある生産者や製造業者の集合体で、体にいい有機食品などを扱っている。野草、うずら、きのこなどを使ったヘルシーなレトルトカレーのラインナップが揃っている。『べじたカレー』なんていうベタでユニークな商品名のものもあって面白い。
 その他、りんどう高原食品という会社の作るレトルトカレーや、長野の鹿を使ったカレーがあったりしてなかなかの充実ぶりである。また『プチレストランべんがる』では店主が丁寧に手作りするレトルトカレーが通販で買えるのも嬉しい。新潟で販売されるのは日本海でとれたホタテやまぐろを使ったレトルトカレー。こちらはコーティングされたきれいなパッケージに具材の写真やイラストがドーンと載ったインパクトの強い商品だ。
 富山県ではレトルトカレーの新化版とも言うべきユニークな視点のカレーがある。それが『黒部名水カレー』。黒部の伏流水を使ってじっくりと煮込んだという商品。通常ご当地もののレトルトカレーといえばその土地の特産品を具材に選んだものが圧倒的に多い。しかし、「水が美味い→美味い水で煮込んだカレーが美味い」ことに目をつけた商品企画は、今後のレトルトカレー業界の拡大、発展に期待を持たせてくれる取組みではないか。これを機に『各地の美味しい水』に注目したレトルトカレーが企画されるようになったら面白いと思う。そしてそれを実現するのに山水が豊富なこのあたりの地域は最適の場所なのかもしれない。


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