横浜伊勢佐木町にある共同ビルの7、8階。カレーミュージアムというテーマパークがお目見えするまでにはいくつものドラマがありました。
2000年冬、本当にたくさんの人々が携わり、造り出された大正時代の港町。設計・施工・装飾のプロフェッショナル総出の夜を徹しての職人仕事。ようやく完成をみたのはオープン1ヶ月前のクリスマス。このプロジェクトを成功させる為に流した汗と涙。大勢の人達の手によって、一つの施設が誕生したあの時の感動は今でも忘れられません。そしてカレー店の人達と新たに出会い、2001年1月26日のグランドオープンの日を迎える楽しみが日に日に増していきました。・・・さあ、ここからが本当の物語の始まりです。



グランドオープン前日の25日に内覧会を行ないました。テレビ取材、カレー店舗関係者、VIPを含め大勢の人たちで賑わいました。特に、「カレー親善大使」としてお迎えしたさとう珠緒ちゃんはサリーがとても似合っていて、オープニングに華を添えてくれました。また、インド大使館のスンダリーシャ夫妻はノーブルなたたずまいで、記念撮影にも気軽に応じてくれ、とても優しい笑顔が印象的でした。いよいよグランドオープンの1月26日です。お客様が初めて訪れる日の前日、2日間で運営リハーサルを行ったものの、この日の賑わいぶりといったらそれはもう大変なものでした。もちろんkariの港の住人であるカレー職人たちは、マサラホテルでも、大正商船会社でも、QUEEN PIA号の船内でも「究極のカレー」を振舞うのに大忙しでした。めまぐるしくあっという間に過ごした、華々しく最も印象に残る1日でした。


オープン告知など、テレビ、新聞、雑誌、ラジオで取り上げてもらったおかげで、本当にたくさんのお客様にお越しいただく事が出来、オープンから1ヶ月はあっという間に過ぎていきました。地元横浜からはもちろん、横浜に観光で訪れる人たちにとっても、徐々に「横浜の新しい観光スポット」として認知されていきました。カレーの博物館が出来たらしいぞとうわさを聞きつけたお客様が日本全国から来館され、店舗に行列が出来、お客様に入場制限をお願いするほどの状態が連日続きました。当然、カレー職人たちも昼はお客様へカレーを提供、夜は翌日の準備に徹夜でカレーを仕込む日々が続きます。不眠不休で疲労困憊しているはずなのに、皆表情が生き生きとしている様に感じました。自慢のカレー料理を1人でも多くの人に味わってもらいたいとの一心だったのでしょう。また、「究極のカレー」という専門店のカレーは一つの社会現象にもなりました。


気候が穏やかになり春が訪れて、とても過ごしやすい陽気の5月、子供の日にKONISHIKIさんがやってきました。とても明るく気さくな人で、子供たちにはもちろん、大人にも大人気でした。彼が、8階のエチオピア店内で、横浜の養護施設の子供たちと一緒にカレーを食べながら、子供たちが描いた似顔絵を見て優しく話しかけたり、子供たちからの素朴な質問に答えたり、最後には子供たち皆がKONISHIKIさんからプレゼントを送られ、大喜びの様子でした。KONISHIKIさんはその後もテレビ取材に気軽に応じて下さったり、チャリティの呼びかけにもすすんで参加していただいたり。大きな体はどこに行っても人だかりが出来ました。チャリティーカレーイベントはお客様の反響も大きく、朝から並ばれた方もいらっしゃって、午後7時には各店舗2時間以上待ち時間が出来、入場制限をかけるほどの人気となりました。


6月2日は横浜の開港記念日。横浜の各所では開港祭など様々なイベントが開催されています。カレーミュージアムでも、カレーという食文化がイギリスから初めてこの港町にやってきて、広まった事を記念して、この6月2日を「カレー記念日」として提唱し、盛大なイベントを開催しました。親善大使としてやってきた林家こぶ平さんはとても楽しい人で「究極のカレー」も3皿ぺロリと平らげていました。
ガンジーの生まれ故郷でも有名なインドのグジャラート州で2001年1月26日に大地震があり、大勢の人が被災しました。そこで、インド総理大臣災害基金としてカレー記念日一円カレーイベントに訪れるお客様から少しずつお金をあつめてもらって、震災で困っている人たちに役立ててもらう事にしました。
インド大使館3等書記官のアームストロングチャングサンはとても感謝していました。



夏休み期間中「究極の夏カレー」と題して7店舗全てのカレー店でカレーミュージアム初の季節限定メニューを提供しました。統計的に暑い夏にはカレーの消費が増加する傾向にあります。
各店夏野菜を取り入れ、スタミナ、健康面に配慮した夏カレーは限定食数という事もあって、とても人気があり、夏休みのイベントとして定着しました。初めての季節限定メニューで各店ともアイデアを具体化するのには苦労したようですが、食べると辛さで体が熱くなって、汗をかくととても爽やかな気分になれるカレーが楽しめました。インドの知恵で人間の体は水冷式エアコンのようなもので、暑い時に熱いものや、辛いものを体に入れると汗が出てその汗が暑さで蒸発するときに体が冷やされるんだそうです。インドの人達が好んで熱くて辛いものを食べるのにもうなずけますね。



夏休みのある日、記念すべき100万人目のお客様をお迎えしました。
丸茂由美ちゃんという女の子でお父さん、お母さん、それにお母さんのお友達と一緒に来館されました。7階エントランスでkariの港の住人が盛大にお出迎えすると、とても驚いていましたが嬉しそうでもありました。
由美ちゃんには記念に100万人名誉町民の証と究極のカレーVIPパスをプレゼントしました。
その後、何度かお友達と遊びに来てくれた様だけれど、また遊びに来て欲しいものです。


館長の日記Top | Vol.1 オープン~2001年7月